世の中には様々な職業や職種が存在しますが、社長も経営職という一種の職業です。
職業によって必要とされる知識やスキルは異なるわけですが、社長を職業として見た場合にはどのような知識が求められるのでしょうか。
本章ではこれから経営者を目指す人や駆け出し経営者の方向けに、会社を経営する上で知っておくべき知識について見ていきますので、ぜひ参考になさってください。
資金調達について
会社を運営する上で経営者が常に気に掛けなければならないのが事業資金の確保の問題です。
地元の銀行がメインバンクになる事が多いと思いますが、中小事業者は担保に利用できるものが無いとまとまった金額を借りられないこともあります。
その場合、公的な支援機関である信用保証協会を利用することで融資を引き出しやすくできます。
利用には一定の保証料が必要ですが、自治体によっては保証料の一部を補助してくれる仕組みもあります。
また日本政策金融公庫は中小事業者に特化した公的な金融機関で、条件をクリアできれば有利な環境で融資を受けることができます。
ただし相談窓口が少なく、各県の県庁所在地などにしか設置されていません。
使い勝手にやや難があるものの、資金調達においてはこうした公的な支援機関を上手に活用してください。
経理について
事業を始める方の多くが心配の種としているのが経理に関してです。
経営者としては儲けを出すのが使命なわけですから、特に儲けを生み出さない経理については考えたくないという人も多いと思います。
しかし経理は下で見る決算を出すための下処理であり、会社を経営する上で避けては通れません。
また会社経営が上手くいっているか、問題が起きた時はどこに問題があるのか確認するためにも正しい決算書類を作る必要があり、そのために経理処理は欠かせません。
まずはこのこと理解してください。
経理は日次、月次、年次と三段階に分けて考えることができます。
日次業務は日々行う作業で、現金の出納を管理し領収書を整理して仕分け作業を行います。
月次業務は日次業務を月単位でまとめる段階で、売掛金の管理なども帳簿に反映させます。
従業員を雇っている場合は給料の支払いについてもまとめ、売掛金がある場合は帳簿に計上すると同時に請求書の作成なども行います。
年次業務は一年間の総まとめで、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の作成作業を行います。
これら経理作業は会計ソフトを用いることで手間を削減することができますが、会計経理の理屈を全く知らない人がいきなりソフトを使おうとしても上手くいかないことが多いです。
会計ソフトは便利ですが、便利に使いこなすには最低限の知識が必要だということはぜひ知っておいた方が良いでしょう。
できれば事業開始前に会計処理の基礎を学べる講座やセミナーなどに参加しておくことをお勧めします。
決算について
経理処理は決算のベースになるとお伝えしました。
決算とはそもそも何なのかというと、その会社の1年間における収入と支出を総ざらいし、会社全体としての損益を計算するものです。
法人経営で生じた利益には税金がかかりますから、税額を計算するために決算が必要になります。
必要な納税を怠ると非常に怖いペナルティが待っていますから、面倒であっても決算を怠るわけにはいかないのです。
貸借対照表や損益計算書などの決算書類を作成したら、会社の決算日から二か月以内に税務署に提出して納税手続きも行います。
決算書はまた納税手続きのためだけに利用されるわけではありません。
経営者が自分の会社の状態を把握するためにも用いられるので、その見かたについても知っておく必要があります。
貸借対照表は左側が資産の部になっていて、こちらは会社が保有する資産(基本的に持っていて嬉しい財産)が記載されます。
資産は換金が容易な流動資産と換金に時間がかかる固定資産に分けて記載されています。
流動資産が少ないと、急な資金繰りが必要になったときに現金化が難しく、資金ショートの危機が生じやすくなることに注意が必要です。
右側上部には負債の部(借金など、基本的に持っていて嬉しくない財産)が、右下には純資産(返済の必要がない資本金など)が記載されます。
負債の部については支払期日が短い流動負債と、支払期日に余裕がある固定負債とに分けて記載がされます。
流動負債は返済期日が早いものですから、この項目の数字が大きくなるということは、近いうちにまとまった返済資金が必要になる事を意味します。
そうなると、上で見た流動資産では返済資金を賄えないかもしれません。
そう判断した場合、早めに固定資産の売却に動く必要があります。
このように、決算書類は会社を守るという意味でも重要な役割を果たすので、軽視することはできません。
従業員の雇い方
従業員を雇う場合、労働関連法が関わってくるためこちらの理解も必要です。
求人自体はハローワークの他、民間の職業紹介事業者を活用することもできます。
人を雇用する場合は雇用契約書や労働条件通知書の作成、交付が必要です。
労働者に交付する書面には法令で記載しなければならない事項があり、ルールに従わないと罰則があるので注意が必要です。
これらについてはハローワークや民間の職業紹介事業者に相談すれば丁寧に教えてもらえます。
基本的に、人を雇用する場合は雇用保険や労災保険などの労働保険と、健康保険や年金などの社会保険についても手続きが必要になります。
従業員を10人以上雇用する場合は就業規則も作らなければなりません。
こちらも様々なルールがあり、面倒ならば社会保険労務士などの専門家に依頼することもできますが、専門家費用がかかります。
ということで、人を雇う場合は会社運営上の手間やリスクが格段に増すということは覚えておきましょう。
一人社長で業務を回せる場合は良いとして、ある程度事業が軌道に乗れば不都合が出てきます。
その場合、人材派遣のサービスを利用することも検討できます。
人材派遣の場合、自社が直接人を雇用するわけではないので、労働保険や社会保険の手続きなどは不要です。
これらは派遣元の会社が責任を持つので、派遣先となる会社で考える必要はありません。
ただし人材派遣の場合、自社で直接雇用しているわけではないので、直接雇用する社員のように自由に指揮命令することはできません。
派遣元と派遣先の会社で合意した契約内容に従い、決まった業務だけしか派遣社員にさせることはできず、配置転換なども自由にはできません。
同じ派遣社員を永久に働かせ続けることはできず、一定の期限もあります。
派遣は雇用の調整弁として機能するものですが、使い勝手に制限があることは知っておいてください。
まとめ
会社を経営する上で知っておくべき知識ということで、今回は会社の資金調達や会計、決算、雇用などのごく基本的なところを見てきました。
経営者として知っておくべき知識や情報は非常に幅広く、今回お伝えしたのはごく一部に過ぎません。
これから起業をお考えの方、起業してまだ間もない方は、経営者として必要な知識を得られる勉強会などにぜひ精力的に参加してください。
そこでは同じ経営者仲間がたくさんいて、情報交換ができたり協業のお誘いもあったりします。
中には怪しい団体が主催するものもあるので注意が必要ですが、公的な機関や名前が知れた民間事業者が運営するものは安全です。
ぜひ積極的に参加して知識を付けてくださいね。
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