企業経営はよくマラソンのようなものだと表現されます。
一過性の儲けを狙うような短期的な活動ではなく、持続的、長期的に利益を上げられるようにするのが経営であるということですね。
企業経営を持続させるためにはトップに立つ経営者がしっかりとした経営戦略を描くことが重要です。
この回では持続可能な成長を目指すための経営戦略について見ていきます。
目次
経営戦略とは何か?
まず経営戦略とは何なのかということですが、簡単に言うと企業目標を達成するために設定される大枠の計画、ないし方針のことをいいます。
会社を持続的に成長させるための長期的な方向性を示すのが経営戦略です。
会社として将来的な方向性を示すことは経営者および経営層にとって指針になるのはもちろん、その下で働く従業員にとっても拠り所になるものですから、経営戦略は会社を一つにまとめる役割も担います。
またステークホルダーなど会社を支える関係者にとっては対象企業の姿を可視化する役割もあり、会社にとっては理解と協力を得るための媒体としても機能します。
経営戦略の重要性
経営戦略は長期的に持続可能な企業を形成するために欠かせないものですが、近年の変化の激しい時代においては以前よりもその重要性が増しています。
ご存じの通り、DXの普及などIT技術、AI技術の発展、進化が目覚ましい時代です。
世界はどんどん進化し、そのスピードも以前とは比較にならないほど速くなっています。
また人口減少などの社会的な変化を捉えることができないとビジネスはうまくいかないので、こうした社会的な変化にも対応できるようでなければ企業の成長は望めません。
こうした変化に対応していくためには正しい経営戦略を描くことが重要になります。
さらに、ビジネスでは競業関係にあるライバルがひしめいていますから、競争優位性を保つためにも経営戦略は重要な役割を果たします。
経営戦略の種類
経営戦略には以下のように3つの種類があるので、それぞれの概要を確認します。
①全社戦略
全社戦略は企業戦略とも呼ばれ、大局的な観点から会社全体としての方向性を探るものです。
ライバルがいる中で、どの事業分野で戦うのか、経営資源をどう配分するのかなど全体の方向性を見定めます。
②事業戦略
会社は複数の事業を展開し、それぞれの事業で利益を出しつつ、またそれぞれの事業の相乗効果なども狙って効果的な事業推進を狙います。
各事業ではその分野で他のライバルの存在がありますから、その環境下で競争に勝つための方針を定めるのが事業戦略です。
事業戦略では顧客のニーズに応えるためのマーケティングなどの要素も入ってきます。
③機能別戦略
機能別戦略は事業戦略を推進するための企業内部の個別領域における戦略です。
例えば財務や人事、研究開発など事業戦略を支える内部的、個別的な要素が入ってきます。
経営戦略策定の手順
ここでは経営戦略を策定する手順について見ていきます。
①経営理念の具体化
上で見た全社戦略よりも上の概念に経営理念があります。
経営理念は具体的な施策というよりはもっと漠然としたもので、その会社の存在意義、あるいは社会の中でどのような役割を果たすのかといったものです。
先代以前から引き継いだ会社であればすでに掲げられているでしょうし、一代目の経営者であれば自身の中にしっかりと作られているはずです。
この経営理念を具体化し、これを基にその企業の将来あるべき姿像を描きます。
これを「ビジョン」と呼んだりしますが、経営理念とビジョンをセットで形作ることで経営戦略の土台とします。
②外部分析
次の段階が外部分析で、その企業が置かれた環境を分析にして自社にとっての脅威となる事実の把握や、市場の競争に勝つための勝機の発見につなげます。
外部分析では政治経済、技術などの視点で外部環境を分析するPEST分析などが活用されます。
③内部分析
内部分析はその企業内部の資源を把握し、競争優位性がどの程度あるのかなどを把握します。
内部分析ではその企業内部の強み、弱みを発見するためのSWOT分析と呼ばれる手法が活用できます。
④戦略オプションの立案
戦略オプションは自社の状況を基にして最も効果的な戦略を選択するものです。
複数の戦略オプションを考慮して、自社にとってよりよい方向性につなげることが可能になります。
例えば費用面で過大な投資とならないか、効果として望む結果につながる施策となっているか、時間的に長期間を要すことにならないか、競争優位性を築ける可能性があるかなどの視点で評価していきます。
⑤実行とレビュー
計画立案が済んだら実際に実行し、効果測定を行います。
市場や社会は常に変化していますから、戦略の修正は随時行って対応していきます。
経営戦略策定時の注意点
ここでは経営戦略策定時における注意点まとめて見ていきます。
①ライバルとなる相手の存在を強く意識する
経営戦略策定においては最初から最後まで競業他社の存在を強く意識します。
どうしても顧客ニーズに目が行きがちですが、競争優位性を維持できないと結局持続的な発展は望めません。
②組織内部の意思の合致を図る
自社の内部で意思の統一が取れないとライバル他社との競争力を保てません。
社内で抵抗が起きないよう、経営層や管理職だけでなく従業員にも丁寧な説明が必要です。
③評価と修正は随時行う
経営戦略は策定して終わりではなく、その時点からがスタートです。
変化に対応できるように設定した戦略も、進行状況を把握できなければ軌道修正ができません。
目標達成に最短で、より確実に近づくためにも評価と修正は随時行うよう心がけてください。
まとめ
この回では持続可能な成長を目指すための経営戦略について見てきました。
企業は持続的に経営を維持していくために長期的な戦略をもって臨む必要があり、そのために経営戦略という形が作られます。
長く経営を続けている経営者であれば自然と考え方が身についていると思いますが、若手や新規起業を目指す方はある程度、経営戦略とはどのようなものかを体系的に捉える視点が求められます。
実際に経営戦略を実務に落とし込むには理解と経験が必要ですので、経営者向けの勉強会などに参加して身に付けられるようにしてください。
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