資金調達

赤字決算!会社経営のピンチ!法人税は?融資は受けられる?

法人税と融資

企業経営を担っていく経営者としては、自社の財務状況に常に気を配り健全な経営を続けられるようにしなければなりません。

できれば黒字経営を永久に続けたいものですが、なかなかそうはいきません。

仮に黒字でも倒産の危機が生じることはありますし、実際はほとんどの企業で赤字の状態を経験しているはずです。

赤字状態となると経営者としてはかなり気になるところで、融資が必要になったらどうなるのか、法人税の負担はあるのかなど、赤字決算となった時の心配は絶えません。

実は赤字には良い面もあるので決して落胆する必要はないのですが、本章では赤字状態となった企業の法人税や融資の可否などについて解説していきますので、ぜひ参考になさってください。

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■赤字決算とはどのような状態か?

まずは企業会計における赤字とはどのような状態なのか最初に押さえておきます。

企業はそれぞれ決算月を設定し、一年間の利益を計算して確定申告を行います。

利益を計算するには、商品やサービスの売上金による収入から、事業遂行に要した経費を差し引く必要があります。

一年間の経営の中で、経費よりも収入の方が大きくなれば利益が生じる黒字となり、収入よりも支払った経費の方が大きくなれば赤字となります。

つまりその会計年度において、当該企業に儲けが出なかった状態を赤字と言います。

■赤字決算で法人税はどうなる?

では赤字決算となった場合、法人税はどうなるのでしょうか。

税金は基本的にプラスの利益が発生した時に課税されるもので、課税対象となる利益が無ければ税金をかける的がないので課税できません。

正確には会計上で所得が発生していなければ法人税がかかることはないので、この点で負担を避けられるということは知っておきましょう。

ただし税金の種類によっては必ずしも利益に対して課税されるものだけでなく、無条件で一定の課税がされるものもあります。

そのうちの一つが法人住民税で、この税目のうち「均等割り」という部類の税金については事業で利益が発生していなくても税負担が生じます。

均等割りで発生する税金の額は企業が所在する自治体の別や事業規模などによって変わります。

企業によって赤字は変わる

■赤字決算で融資は受けられる?

会計上の赤字となった場合、財務諸表上ではその会社の経営が上手くいっていないことが目で見て分かるようになります。

赤字で資金が足りなくなれば融資を検討しなければなりませんが、銀行などの金融機関は当然財務諸表をチェックして企業の経営状態を確認します。

資金を貸し出す側としては、「しっかり返済してくれるか?」という点が最も重要ですから、余裕のある企業でなければ融資には及び腰になります。

財務諸表上で赤字が確認できるということは、一見して余裕がないことの表れですから銀行は当然融資に慎重になります。

赤字の額や赤字が生じた経緯によっては融資が望める可能性もありますが、一般的には赤字状態での融資は難しく、どうしても銀行から借り入れをしたいのであれば信用保証協会に保証料を支払って保証を取り付けるなどの検討が必要になるでしょう。

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■赤字決算にはメリットもある

赤字には一定のメリットもあるので見ていきます。

一つは会計上で赤字の繰り越し控除ができるということです。

会社の会計は基本的に一年間の収支をまとめるものですが、その年で生じた赤字は翌年以降の一定期間繰り越して黒字と相殺することができます。

赤字はマイナスの収支、黒字はプラスの収支で黒字となれば発生した利益に税金がかかります。

黒字に対して赤字を充てることで、数字上の黒字を減らし見た目の利益を減らすことができるのが相殺です。

例えば、今年度会計で赤字が500万円でたとします。

翌年度の会計で収支が改善し1000万円の黒字になったとしましょう。

通常はこの1000万円が丸々課税の対象になりますが、前年度の赤字と相殺すれば黒字の額を500万円に圧縮できます。

課税の対象が半分になることで税金の負担を大きく低減することができるわけです。

相殺はあくまで数字上の調整なので、実際に儲けが消えてしまうわけではありません。

税金の負担が減る作用があるだけですから心配しないでくださいね。

そしてこの赤字と黒字の相殺は最大10年間繰り越して行うことができるので、一旦生じた赤字は、翌年以降しばらくは黒字を減らす効果を生み続けることになります。

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またもう一つのメリットが税金の還付です。

黒字となって法人税を納めた翌年に赤字となった場合、前年分で納めた法人税の一部を還付してもらえる制度もあります。

税金の還付は青色申告制度を利用していることなどが条件になりますが、対象になるケースでは忘れずに還付制度を利用しましょう。

■赤字決算では資金枯渇に注意が必要

赤字には上記のようなメリットもあるので可能であれば確実に利用したいものですが、これらは税金に関するものですので、マイナスの作用を低減する効果に止まります。

現実の儲けを増やしたり、外から現金が転がり込んで来るような性質のものではない点は理解が必要です。

赤字は収支で言えばマイナスの状態なわけですから、多くの場合現金が不足している状態です。

現金は自社の支払いに絶対的に必要で、これが不足すれば資金ショートを起こし倒産してしまいます。

キャッシュ不足は黒字でも起きますが、赤字状態ではなおさら注意が必要です。

かといって赤字では銀行の融資を得るのは難しいので、別の方策を考える必要が出てきます。

別の策を見つける必要がある

■赤字決算でも資金を調達する方法

ここでは赤字でも資金を調達できる可能性の高い方策をいくつか見ていきます。

銀行の融資が望めない場合は信用保証協会を利用することも検討できますが、この方法では銀行と信用保証協会の両方で審査を受けなければならず、仮に両方の審査に受かったとしてもかなりの期間を要します。

キャッシュ不足によるアクシデントに対応するには迅速性が求められるので、必要に応じて以下のような方法を検討しましょう。

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①ファクタリング

迅速性、確実性で最も優位なのがファクタリングです。

ファクタリングは借り入れではなく売掛債権の現金化による資金調達法です。

掛け取引を行っていて、自社が売り主側であれば取引先に売掛債権を保有することになるので、これをファクタリング業者に売却することで売掛金の支払い期日より前に現金化することができます。

ファクタリングには二社間取引と三社間取引がありますが、二社間ファクタリングでは債権を譲渡する会社とファクタリング業者の二社間で取引が可能なため、相談した当日中に売掛債権の売却が望めます。

銀行や以下で見るノンバンクからの借り入れのように代表者保証や第三者保証、あるいは担保の提供を求められることもありません。

売掛債権を保有していれば取引ができ、財務状態が赤字であったり税金の滞納があるような場合でも取引は可能です。

またファクタリングは流動資産の現金化であるため、借り入れと違って財務諸表上で赤字を増加させることもありません。

これ以上の赤字を増やさないためにも、ファクタリングによる資金調達が強くお勧めできます。

②ノンバンクのビジネスローン

ノンバンクは銀行のような預金業務を扱わず、融資業務のみを扱う金融機関です。

ノンバンクは各種のビジネスローン商品を提供しているので、これらを利用することも検討できます。

ビジネスローンには第三者保証や担保の提供が不要で小口資金の借り入れができる信用貸しプランの他、不動産などの担保提供と引き換えにまとまった融資が可能なプランなどがあります。

代表者保証のみで借りられる信用貸しプランでは多くの場合実質的に数十万円程度が限度となることが多いので、必要金額を満たせない場合は別の対処法と合わせた資金調達を考える必要あります。

銀行の融資と比べると迅速性はありますが、返済リスクが発生する貸金取引となることから、融資対象の財務状態は詳しくチェックされます。

ファクタリングと違って赤字状態の会社にはノンバンクも融資を拒否する可能性があるので、審査否決となれば貴重な時間を無駄にしてしまいます。

むずかしい

③資産の売却

売却して現金化できる資産を保有していれば、買い取り先を探して現金化することもできます。

目ぼしい財産としては不動産が挙げられますが、不動産の売却は時間がかかることと、事業の遂行に必要な場合は売却することができません。

動産資産も売却対象になるので、売れ残った在庫や社用車などの売却を検討します。

動産資産は不動産よりは簡易に売却できますが、高額となりにくいので必要金額を満たせるかどうか不安が残ります。

④リースバック

事業遂行に必要で売却できない資産がある場合には、リースバックを用いることで資金化することもできます。

リースバックとは、対象の財産について一旦売却契約を結び、所有権を買い手に移すものの、その後は賃料を払って借り受ける形で使用を続けることができるものです。

事業用の不動産や工場機械などの動産資産もリースバックを用いることで使用を続けることができ、事業の継続が可能になります。

ただし契約の更新の際に賃料の増額を要求されるなどのリスクもあるので、真に必要な資産は所有権を手放すことに大きな不安を残すことになります。

■まとめ

まとめ

本章では赤字状態となった企業の法人税や融資の問題について見てきました。

赤字は決算上で利益が出ていない状態であり、企業活動から生じた所得が発生していないことになるので法人税はかかりません。

赤字決算の場合、税金面で一定のメリットがあるため、可能であればこれらを利用しましょう。

赤字ではキャッシュ不足のリスクが大きくなりますから、経営者としては現金の枯渇に備えてファクタリングなどの資金調達がいつでもできるように準備しておきましょう。