税理士は税金に関するプロであり、ビジネスを手掛ける企業や事業者にとって心強い味方になります。
実際、顧問税理士として迎え入れている企業も多く、税金以外の相談に乗ってもらえることもあります。
資金調達方面の相談に乗ってもらえることもありますが、必ずしも適切な対応を受けられるとは限りません。
資金調達の相談を税理士にする際には気を付けるべきポイントがいくつかあるので、本章で解説していきます。
目次
税理士だからといって資金調達に詳しいわけではない
まず知っておかなければならないのは、基本的に資金調達は税理士の本来の守備範囲ではないということです。
税理士は知っての通り税に関する専門家であり、本来の業務は以下の範囲に限られます。
①税務書類を作成すること
確定申告書等の税務に関する書類の作成を行います。
②税務代理を行うこと
税務署に関係書類を提出することを代理したり、税務調査を代理して受けることなどです。
③税務相談に応じること
節税や税金の申告手続きなど、税務に関する各種相談に応じることです。
以上の中に資金調達に関する相談に応じることや申請の代理行為については含まれていません。
資金調達については本来の税理士の業務範疇には含まれておらず、税理士試験でも基本的には対象になりません。
税理士であれば資金調達に詳しいというわけではないので、この点は知っておく必要があります。
資金調達に限らず、税理士を選ぶ際には個別に税理士事務所を複数調べて得意分野などをチェックすることが大切ですが、資金調達支援を目的に税理士を検討するのであれば、それに対応できる税理士を依頼者側の責任で探し出す必要があります。
事務所が近いからという理由で依頼してしまうと、適切な対応を受けられず損をしてしまうということもあり得ます。
相談を受けた税理士側も、得意でなければ断ることはできますが、せっかくの飯の種を逃すまいと受任してしまうということも考えられます。
その場合、適切な対応を受けられず損をするのは依頼者側です。
ここら辺の確認も含めて、依頼者側の責任で判断しなければなりません。
税理士選びのポイントを確認
では資金調達を目的に税理士選びをする際のポイントを見てみましょう。
①資金調達支援をアナウンスしているか
最近はほとんどの税理士が自分のWEBページを持っているので、まずは気になっている税理士のWEBサイトを調べて資金調達支援のアナウンスがされているかどうか確認しましょう。
今時WEBページを持っていない税理士は論外ですし、持っていても資金調達に関するサポートが案内されていなければ、その税理士は資金調達に関しては対応していないと考えて差し支えありません。
アナウンスが無いということは少なくとも得意としていないということですので、あえて相談する意味はないでしょう。
得意分野は必ずWEBページに記載するはずですので、記載があることが最低条件と考えてください。
②助成金や補助金のサポートが案内されているか
事業者が資金面のサポートを必要とすることが多いのは税理士に限らず他の士業も承知しています。
ですから資金調達の一種として助成金や補助金の申請サポートをうたう事務所は多くあります。
助成金や補助金の申請サポートを強くうたう事務所であれば、銀行等の金融機関が相手となる資金調達に関しても良い対応が望める可能性が高いのでチェックしましょう。
③認定支援機関に登録しているか
事業者の経営をサポートする中小企業庁では、資金調達などを支援するサポート役として民間の士業等専門家を「認定支援機関」として認定し、企業のサポートにあたらせています。
認定支援機関は日常の経営に関して必要なアドバイスを行ったり、各種の申請をサポートする役目を担いますが、資金調達を打診するに際に認定支援機関が介入していることが条件の一つとされる事もあります。
このような業務を担う認定支援機関には税理士も参加することができ、他の士業よりも税理士の割合が多いことが知られています。
企業支援を行う士業としては他に行政書士や中小企業診断士などもいますが、税理士は他の士業と比べて顧問契約を取りやすいため、企業にとってより身近な存在と言えるのかもしれません。
認定を受けた税理士は資金調達に関して一般の税理士よりも知識やノウハウを有していると考えられるので、相談先を選ぶ際にその税理士が認定支援機関に登録されているかどうかをチェックするのは有効です。
④金融機関等との面談をサポートしてくれるか
銀行や補助金申請の際の行政機関との面談では対応にコツがいります。
申請書類の作成にもかなり気を使いますが、面談では外部の専門家がそばに付けないことも多いので、その場合は事業者が一人で面談に臨まなければなりません。
資料を基に返済計画などを説明する際には、相手に納得してもらえるよう説明にも工夫が必要です。
資金調達に詳しい専門家であれば、面談の際の立ち振る舞いや相手を納得させる説明の仕方などを手ほどきできます。
模擬面談などを通して訓練をしてもらえることもあるので、そうした対応が可能かどうかについても相談してみると良いでしょう。
⑤経営状況に見合った資金調達をアドバイスしてくれるか
資金調達の手段は非常に多様化しています。
特に自治体や国の行政機関が絡む資金調達は小口化、多様化が激しく、どこにどんな支援プランが用意されているのか事業者側で完全に把握するのは困難です。
資金調達を専門とする士業等はそうした情報をつぶさに収集しているので、相談した企業が置かれた状況や経営状態などを精査し、どういった資金調達が望まれるか判断して適切な調達プランをアドバイスできます。
⑥金融機関の担当者と日ごろからつながりがあるか
可能であれば、相談の際に金融機関や自治体の窓口職員とどれくらい近しい関係にあるのか、話題の中で確認してみましょう。
窓口の担当者は人事異動で変わることがあるのでタイミングが悪いと思うようにいかないこともありますが、自分が一度折衝した相手方担当者の名前を出して、「〇〇銀行の△さん、融資の相談をしたらなかなかいい返事くれなかったんですよねえ」などと水をむけてみましょう。
「ああ、△さんならこれまで何度も申請したので付き合いがありますよ。彼は■■の点を上手く説明すれば良い印象を与えられますよ」などの返事が返ってきたら、その税理士は〇〇銀行を相手にするケースでは有利に働くかもしれません。
自治体の担当者も同じで、業務で何度も相手方と付き合いのある士業はここに強みを見出すことができます。
まとめ
本章では資金調達の相談を税理士に相談する際に気を付けるべきポイントについて見てきました。
資金調達は本来の税理士業務の範疇ではないので、対応するかどうかはその税理士次第です。
適切な対応を受けられる税理士は依頼者側の責任で探し出す必要があることは知っておきましょう。
相談先となる候補者探しはWEBページで得意分野などをチェックすることになりますが、面談の際にはそれまでの支援実績なども聞き出し、どれくらい丁寧なサポートを受けられるのか確認しましょう。
顧問税理士がいる場合でも資金調達が得意でないのであれば外部にスポット依頼を出しでも構いません。
できるだけ有利な扱いを受けられそうな税理士をぜひ探してみてください。
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