資産を多く保有する人は資金管理に気を使い、国内の税制や為替、金利など多方面に意識を向ける必要があります。
いわゆる富裕層の間では、国内に止まらず海外で資産を保有する人もいて、最近は海外口座を持つことによるメリットが知られるようになってきました。
富裕層でなくとも、特定の目的をもって海外口座を持つという人もいるので、本章では海外口座を持つことのメリットやデメリット、口座の開設方法や注意点について解説していきます。
目次
海外口座とは?
海外口座は日本以外の外国に本店を持つ銀行の口座のことを言います。
出張や留学で海外によく行く人や海外旅行が趣味で外国にしょっちゅう行く人はその必要性から海外口座を持っている人もいますが、多くの一般の方にとっては馴染みが無いのが実情でしょう。
実際、海外口座を持つには結構なハードルがありますし、海外に居住していない人が口座を開設できるかは国や地域によるので調べる必要があります。
例えばアメリカでは一部を除いて外国人が口座を持つことは原則できません。
香港やイギリス、スイスなどは手続きを踏めば可能ですが、一定の条件があります。
こうしたハードルがあることは踏まえた上で、海外口座を持つことのメリットやデメリットについて押さえていきましょう。
海外口座を持つメリット
まずは海外口座を持つメリットを見ていきます。
①出張や留学、旅行の際に便利
上でも少し触れましたが、仕事で海外出張が多い人や海外旅行が趣味でよく海外に出かけるなどの人は海外口座を持っておくと便利です。
現地の通貨をいつでも引き出せるのは長期滞在、短期滞在に関わらず安心できます。
②日本よりも高金利
日本国内では直近の金利政策で利上げが行われましたが、それでもごくわずかの金利しかつきません。
海外の多くの銀行は日本よりも金利が高いので、海外口座に資金を持つことで金利のメリットを得ることができます。
ただし金利の高さだけを見るのは危険で、高い金利が付くにはそれなりの事情があります。
経済がぜい弱で外貨を稼ぐ必要があるなど、カントリーリスクやデフォルトリスクを考慮すべき事情がある国も多いので、そうした国の銀行に多額の資金を預けるのは危険が伴います。
③為替変動の対策になる
多くの資産を保有する人は資産管理においてポートフォリオを最適化する必要があります。
特定の資産だけを多く保有していると、それが値崩れした時に大損となるので、複数の種類に資産を分散して保有するのがセオリーとされています。
日本円だけで保有している場合、物価高などで円の価値が目減りすると実質的に損をすることになるので、資産のいくらかを外貨で保有することでリスクヘッジになります。
④海外の投資商品に投資しやすい
海外口座を持つことで、日本国内の金融機関では取り扱いが無い海外の投資商品にも投資が可能になります。
海外の投資商品は取り扱いが難しいのでそれなりの知識が必要ですが、海外の投資商品に積極的に関わっていきたい場合は海外口座を持っておくと便利です。
海外口座があれば資金移動も現地の銀行を通してスムーズに行えます。
デメリット
次に海外口座のデメリット面を見ていきます。
①言語の壁がある
海外口座を開くには基本的に現地の言語で取引することになります。
現地の言語に詳しい人は問題ないかもしれませんが、そうでない場合は通訳や精度の高い翻訳機などが必要になります。
言葉の取り違えから思わぬトラブルに発展しないよう注意が必要です。
②手続きが煩雑
現地の銀行から見れば私たちは外国人となり、外国人が口座を開きたいと言ってきた場合は基本的に現地人よりも厳格な手続きを設けられます。
提出する資料が増えたり、より厳格な本人確認が求められるなど手間が取られることになるでしょう。
日本国内の銀行だと基本的には当日中に手続きが終わりますが、海外口座を開くには月単位の余裕を見ておいた方が良いでしょう。
③当該国の法律やルールを知らなければならない
海外口座の保有や運用には当該国の法律やルールが適用されることにも留意しなければなりません。
外国の法律やルールは日本のものとは根源的に考え方が違うことはよくあり、これらを十分に理解するのはかなり大変です。
精通する必要はありませんが、専門知識を持つ人からレクチャーを受けるなどして一定の理解をしておくことが必要です。
④口座管理料がかかる
銀行にもよりますが、海外の銀行は口座の管理手数料がかかることがあります。
どれくらいの管理料がかかるのか事前に確認しておかないと、利息が高くても管理料で収支がマイナスになってしまうかもしれません。
⑤預金封鎖のリスクがある
預金封鎖とは、様々な事情から当該国の政府、あるいは銀行が預金の払い出しを取りやめることを言います。
政情不安定な国では経済不安から国民が一斉に預金の引き出しに殺到することがあり、そうすると金融システムが破綻してより思わしくない事態になりかねません。
そうした場面で国や銀行が預金者の払い出し要請を拒絶することがあります。
必ずしも政情不安定な国だけでなく、中国でもコロナ禍の社会不安から預金引き出しに殺到した市民に対して預金封鎖が行われたことがありましたね。
国民は自分のお金なのに引き出せないということになるので大混乱です。
日本で預金封鎖が実施されるイメージは一切湧きませんが、海外ではこうしたことも普通にあるということは知っておきましょう。
⑥デフォルトリスクがある
デフォルトリスクは簡単に言うとその国が破綻して、通貨の価値が無くなってしまうということです。
お金の流通は信用があって初めて成り立つもので、債務超過を抱える国は破綻のリスクを常に抱えていることに注意しなければなりません。
海外口座の開設方法
ここでは海外口座を開設する方法について見ていきます。
①現地の銀行窓口で開設する
直接海外に飛んで現地の銀行の窓口で開設するというシンプルな方法です。
海外出張などでしょっちゅう海外に飛んでいる人はこの方法が一番確実かもしれません。
②オンラインで開設する
海外の銀行の中にはオンラインで口座を開設できるところもあります。
その場合は日本にいながら口座開設が叶います。
③代理店を通して開設する
海外の銀行の中には日本の銀行を代理店として指定しているところもあります。
代理店を通すことで日本にいながら海外口座を開設することが可能ですが、多くはメガバンクに限られ、どの国のどの銀行の代理店になっているか個別に確認が必要です。
④日本にある支店で開設する
海外の銀行の中には日本に支店を持っている所もあり、日本国内で手続きをすれば口座を開くことができます。
ただし海外銀行の中には日本国内の支店で開設した口座を海外で使えないところもあります。
その場合は出張や海外旅行などで現地を訪れた際にその口座を使えません。
海外口座を持つ目的によっては意味が無くなってしまうこともあるので、目的に沿った利用ができるかしっかり確認しましょう。
まとめ
本章では海外口座を持つことのメリットやデメリット、口座の開設方法や注意点について見てきました。
海外口座は外国の金融機関に設ける口座のことで、開設できるかどうかはその国のルールや各金融機関の方針によります。
金利が高い、海外で資金の運用がしやすいなどのメリットもありますが、一定のデメリットもあるので留意の上で運用が求められます。
国内で眠らせておくのがもったいない資金があるようであれば、海外口座の活用を考えて見ても良いかもしれませんね。
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